源氏物語小屏風絵‐胡蝶‐

上:『源氏物語』の「胡蝶」巻で、紫の上は、秋好む中宮の「季の御読経」の催事に際して供華を行ったが、その時の使者として遣わされたのが、「迦陵頻」と「胡蝶」を舞う童子たちであった。庭の舞を見る画面奥の秋好む中宮と光源氏、春爛漫の六条院、西南の町である。

源氏物語小屏風絵-胡蝶-
(個人蔵、江戸初期)

下:「龍頭鷁首を、唐のよそひに、ことことしうしつらひて、楫取の棹さす童べ、皆みづら結ひて、唐土だたせて、さる大きなる池のなかにさし出でたれば、まことの見知らぬ国に来たらむここちして」―『源氏物語』「胡蝶」巻より

源氏物語小屏風絵‐胡蝶‐
部会報告
平成22年1月9日 第14回 土曜部会

【報告】
初めての発表で緊張しましたが、なんとか終わって安堵しております。 担当は、『古今集』の1番歌と2番歌でした。 ゼミの検討会で、この2首の歌が非常に大事な役割を担っていること、また、『古今集』の徹底批判を展開した正岡子規が、この巻頭歌を槍玉に挙げていること、等々、 文学史のうえからも非常に大切なものであることを学ぶことが出来ました。 また、注釈書の『古今和歌集全評釈』に、巻頭歌が「寛平御時后宮歌合」に含まれている、とあったので、そのままプリントに載せてしまったのですが、 『古今集』成立より前の「寛平御時后宮歌合」にあるはずがないこと、また、注釈書の『古今和歌集全評釈』には、そういう写本もあるが間違い、とあり、よく読まなければならなかったと反省しております。 ただ、検討会では、注釈書の『古今和歌集全評釈』は、もともとそのような情報は注釈としては不要である、ということを先生方がお話になられました。

1年 酒巻晴巳

 


※資料(アクセスキーを入力してください)
  『古今和歌集』巻頭歌、2番歌(p23)