源氏物語小屏風絵‐胡蝶‐

上:『源氏物語』の「胡蝶」巻で、紫の上は、秋好む中宮の「季の御読経」の催事に際して供華を行ったが、その時の使者として遣わされたのが、「迦陵頻」と「胡蝶」を舞う童子たちであった。庭の舞を見る画面奥の秋好む中宮と光源氏、春爛漫の六条院、西南の町である。

源氏物語小屏風絵-胡蝶-
(個人蔵、江戸初期)

下:「龍頭鷁首を、唐のよそひに、ことことしうしつらひて、楫取の棹さす童べ、皆みづら結ひて、唐土だたせて、さる大きなる池のなかにさし出でたれば、まことの見知らぬ国に来たらむここちして」―『源氏物語』「胡蝶」巻より

源氏物語小屏風絵‐胡蝶‐
部会報告
平成21年7月18日 第5回 土曜部会

【報告】
7月18日、第5回目の土曜部会が開催されました。参加者は6名。 発表者は、順番が一周したので学部4年下河に戻ってきました。担当は、テキスト11ページ9行目から14ページ5行目です。

本文は、貫之が定めた和歌の六分類のところでした。『五経』の一つ『詩経』に定義されている漢詩文の六義のように、貫之は和歌を六つに分けることができるとしました。しかし、ここの古注はその分類についてかなり批判しています。更には、注釈書の解釈がばらばらになっていたこともあって、先生の解説を聞きながら、この六分類について考えていきました。
古注について、内容がひどく辛口なところから、書いた人は『古今集』の撰者に選ばれなかった一族の者ではないか、という意見が出ました。古注は、『古今集』それぞれの写本には必ずあることから、『古今集』成立後に書かれたものだとされています。そのため、その意見は十分にありえるだろうと思いました。
機会があれば、『古今集』の写本に目を通してみたいものです。

来週が春学期最後の土曜部会となります。最後は今まで以上にしっかりと質問をしたいと思います。

学部四年 下河佐登子

 


※資料(アクセスキーを入力してください)
  『古今和歌集』仮名序 (L9/p11)